自動車制御通信におけるLIN通信の用途は、人が操作したスイッチ入力からのライト点灯やサンルーフ動作など、センサーやアクチュエータ制御のような末端機能の制御ネットワークに使用されることが多い通信となります。
LIN通信ネットワークの大きな特長として、データ送信のスケジュールを司るマスターノードと送信要求を待つスレーブノードの主従関係があります。マスターノードがLINネットワーク全体のデータ送信スケジュールを司り、スケジュールに則って、スレーブノードへ送信要求を行います。マスターノードから送信要求を受けた対象のスレーブノードはLINネットワークへデータを送信する仕組みになっています。スレーブノードは自らのタイミングでデータを送信することができないため、マスターノードに依存したネットワークといえるでしょう。
サニー技研、主な開発実績
- 自動車メーカー仕様、標準仕様LIN通信ミドルウェア開発(マスター、スレーブ)
- 自動車メーカー通信仕様対応評価検証
- プリコンフォーマンステスト
- LINリプログモジュール開発
- LIN技術教育
- ツール開発(LIN通信評価、リプログツール)
- AUTOSAR CP仕様LIN通信スタック開発
- その他顧客要望カスタム対応
LINワーキンググループがきっかけに
サニー技研のLIN通信技術は、半導体ベンダー、サプライヤーとのワーキンググループ活動を通じて、自動車メーカー通信仕様のLIN通信ライブラリを開発したことが、今日までの技術ベースになっています。
2000年当時、LIN通信アナライザツールやLIN通信に対応した評価ボードの市販化や、一部のサプライヤー向けにLIN通信ライブラリを開発していました。その後、各サプライヤーがLIN通信の本格導入を始めることになりますが、当時はまだLIN通信が出始めたくらいで、自動車メーカーからLIN通信仕様を受け取ったサプライヤーも、どのように通信を実現するか模索中の段階でした。そのため、サニー技研は、サプライヤー数社と半導体ベンダーでLINワーキンググループを結成し、自動車メーカーからのLIN通信仕様の解釈を議論しながら、標準となるLIN通信ミドルウェアを開発した経緯があります。
このワーキンググループ活動の中での成果物が、サニー技研のLIN通信ライブラリの原型となります。当時は、LIN Rev1.3仕様のLIN通信ライブラリでしたが、LINマスターノード、LINスレーブノードの各ノード向けLIN通信ライブラリや、様々なマイコン対応に対応してきました。
その後、LIN Rev2.0仕様、LIN Rev2.1仕様などのRevisionアップに合わせたLIN通信ライブラリの対応など、現在に至るまで、顧客の用途に合わせて様々に対応し、多くの量産ECUに搭載されています。