自動車には多数の電子制御ユニット(ECU)が搭載され、個々のECUをつなぐように通信ネットワークが張り巡らされています。特に、走る、曲がる、止まるを制御する大動脈には、CAN通信が用いられ、自動車制御を支えています。自動車制御では、個々のECUが単体で動作するのではなく、ECU同士がリアルタイムに協調して動作することが必要です。自動車制御は、その協調制御に難しさがあり、データ長がわずか8byteしかないCANメッセージが、その通信をつないでいます。自動車制御の大動脈を流れるCAN通信ネットワークでは、ミリ秒単位で大量のCANメッセージが流れます。その中では、ただ単に送受信ができれば良いだけではありません。
- CANメッセージ同士がぶつかった際の優先順位に基づいた再送処理
- 万が一の通信障害でのエラー処理
- 自動車のイグニッションオンによるウェイクアップ通信
- イグニッションオフによるスリープ処理
これら全てを安定的に通信動作することがCAN通信ミドルウェアに求められる品質になります。
サニー技研、主な開発実績
- 自動車メーカー通信仕様CAN/CAN FD通信ミドルウェア開発
- 自動車メーカー通信仕様対応評価検証
- CANリプログモジュール開発、ダイアグモジュール開発
- CANゲートウェイ、CAN-LINゲートウェイ開発
- BSWベンダー製モジュールコンフィグ、組込み実装、評価
- 通信セキュリティ(メッセージ認証)機能対応
- CAN/CAN FD技術教育(自動車メーカー向け、サプライヤー向け)
- ツール開発(CAN通信評価、リプログツール、ダイアグツール)
- AUTOSAR CP仕様CAN/CAN FD通信スタック開発
- その他顧客要望カスタム対応
CAN通信のエキスパートとして
サニー技研のCAN通信の取り組みは、90年代後半にお付き合いのあった半導体ベンダーから声を掛けられたことが、きっかけとなりました。
当時は、まだCAN通信が出始めの頃で、CAN標準仕様や自動車メーカー通信仕様の解釈を、自動車メーカーやサプライヤー、半導体ベンダーのご担当者と一緒に議論しながら自動車ECU向けのCAN通信ミドルウェアを作り上げていきました。その後、様々なマイコン向けにCAN通信ミドルウェアを対応しながら、小型で軽量なCAN通信ミドルウェアを開発。ボディー系ECUを中心に多くの車両に搭載されています。
長年の開発実績によるCAN仕様や自動車メーカー仕様の知見は、自動車メーカーの技術担当者教育向けに、10年以上に渡るCAN教育講座の講師としても還元しています。
サニー技研の強みは、自動車メーカー通信仕様を熟知していることをベースに、AUTOSAR BSWやリプログ、ダイアグ開発など通じて、CAN通信のエキスパートとしての実力と実績を高めてきたことです。試作開発や量産向け開発など、お客様の要求と開発フェーズに応じたご提案を豊富な経験から対応することができます。
また、車載セキュリティやOTA、FBLなど車載通信に関係する全ての領域において、JASPARでの活動や自動車メーカーとの共同研究などで知見を高め、サプライヤーのお客様へ技術を還元することを目指して活動しています。
変化の中にある自動車開発において、安全と効率、そしてお客様のビジネスを支える開発パートナーとして、サニー技研は車載通信エキスパートとしての価値提供を目指しています。
エキスパートエンジニア紹介
半導体ベンダーと共同で自動車メーカー通信仕様CAN通信ミドルウェアを開発。ローエンドマイコンに最適化した構成でボディー系ECUを中心に長年に渡って多くのサプライヤーが利用し、多数の車両に搭載された実績を持つ。
自動車メーカーのCAN通信仕様の知見を買われ、CANゲートウェイIPの自動車メーカー要件検証やAUTOSAR仕様準拠のCAN通信関連モジュールを開発。AUTOSAR仕様にも深く精通している。