近年、車載制御通信に新しい技術導入が始まっています。その一つがCXPI通信です。
CXPI通信は、これまでジカ線で制御していた通信をネットワーク制御に置き換えることを目的に仕様策定されました。既に一部の自動車メーカーでは量産車両にCXPI通信を使ったECUが搭載されており、CANのサブネットワークとして導入されています。
CXPI通信ミドルウェアの実装は、現状、UARTを使ってソフトウェアでパルスを生成する制御が必要になります。そのため、量産ECUに搭載するCXPI通信ミドルウェアの開発には、車載通信の熟練した知見が必要になります。
サニー技研、主な開発実績
- 自動車メーカー通信仕様、標準仕様CXPI通信スレーブミドルウェア開発
- CXPIスレーブECU評価用CXPI通信マスターミドルウェア開発
- 自動車メーカー通信仕様対応評価検証
- CXPIリプログモジュール開発
- CXPI技術教育
- ツール開発(CXPIリプログツール)
- その他顧客要望カスタム対応
日本発の車載通信規格CXPIの普及のために
サニー技研では、JASO D015としてCXPI仕様が策定された2015年からCXPI通信に取り組んでいます。当時、自動車技術会の新HMI系多重通信小委員会でCXPI規格を検討しているメンバー企業から、ソフトウェア開発会社の立場でCXPI規格を一緒に検討して欲しいとサニー技研へお声掛け頂いたことがきっかけです。
CXPIは、「CANとLINのいいとこ取り」とも言われますが、LINと同じくマスター・スレーブのネットワーク構成ながら、CANのようなノード間通信やイベント通信が可能なプロトコル仕様となっています。そのため、LINに比べて高い応答性の実現が可能なうえ、1線で通信できるため、CANに比べてデバイスのコスト低減を図ることができるなどの利点もあります。
一方、CXPIは、CANとLINのいいとこ取りであるがゆえ、その仕様を実現する通信ソフトウェアは、CANとLINの知見が必要となります。サニー技研でも、CXPI通信ソフトウェアを初めて開発した際は、CAN通信ソフトウェア開発の知見者とLIN通信ソフトウェア開発の知見者が集まって、どのようにソフトウェア実装をするべきか、社内で議論しながら開発した経緯があります。
CXPIスレーブ向けには、まだマイコンでCXPI IPを搭載したものがないため、ソフトウェアでUARTを駆使しながらPWM制御によるCXPI通信を実現する必要があります。これがCXPI通信ソフトウェア実装の難しさにもつながっています。
サニー技研では、CXPI通信普及のため、CXPIトランシーバ搭載評価ボード《S810-CXG4》やCioRy通信ミドルCXPIスレーブソフトウェアパッケージ製品を販売しています。CioRy通信ミドルはお客様要望に合わせたマイコン対応や機能拡張などの対応も行っており、お客様のCXPI導入や量産ECU早期立ち上げを支援しています。
エキスパートエンジニア紹介
CAN通信、LIN通信にも精通。